映画

昨日より山口情報芸術センターで始まった「Afternote 山口市 映画館の歴史」。この企画展は志村信裕さんが約2年間に渡り、地道な取材活動を繰り返して、バラバラになってしまった映画文化を丁寧に紡いで、忘却に埋没されたものを掘り起こし、60分間の映像によって美しく表現した作品と、それにまつわる資料を一堂に会した展示している。

以前、志村さんは山口市に約3年近く拠点を置いて創作活動した経験があるものの、このコンセプトの核になる高齢者とはほとんど交流がなく、全く白紙の状態でのスタートになった。しかし、その誠実な人柄は垣根を取っ払い、困難とも思える世代と次々に繋がっていく。信頼関係という一朝一夕で構築できなものを温かいハートで織り成した。

これも映画という共通の話題があるからこそご縁は深まっていく。それも自分ではなんでもない思い出話なのに、それが役立つと喜んでくれるから本気度が高まる。彼の良い作品を創りたい思いは、みんなの心を動かして、応援したい人たちが周囲に集まった。ひとり一人の小さな場面がフィルムのように繋がっていけば、山口市の映画文化は豊かなものになっていく。そんなことを肌で感じる展覧会。映画って本当にいいものですね。

 

人は誰も自分の昔話を聞いてくる人が好きだ。それも真正面から受け止めて、

いつの時代も老若男女を問わず通じ合う。