必要は発明の母

「必要は発明の母」とは、不自由や不便なことがあるから、それを打開するためにはじめて発明があるという意味だ。ところが、今の時代は取り合えずなんでもかんでも発明しておいて、その後にどうすればいいのかを考えていくという、いつの間にか発明が必要を追い抜いて、なんとなくできたものに振り回される人たちを目にすることがある。

例えば、この商品はとても素晴らしいという情報が流れて、多くの人が話題に上げていたり人気が高くなってくると、ひとまず買いたい気持ちになりやすい。とにかく「これはいい」と言われると真に受けて深く考えないまま、必要性のないものでも欲しくなる。発明は善いものだという幻想に囚われ、無意味なものを手に入れようとするのだ。

つまり、今の社会では次から次に新しいものが発明されて、次から次に新しい情報が届いてくるため、頭の中がオーバーヒートして物事を判断する力が低下して、今の自分に本当に何が必要なのかがわからなくなりやすい。だからこそ、自分の価値観を大切にしていく。いつもそれにこだわれば、不要なものには違和感が生まれ、甘い誘惑に負けなくなるだろう。