宝もの

10日前にテレビ山口情報番組mixで、昨年11月に行われたコサカダイキ君の個展の展示風景と来場者インタビューで構成された特集があった。私もマイクを向けられたので、そそうのないように言葉を選びながら語ったものの、実際に使われたのは初めてコサカ君と出会った時に、自分の才能に気づいていないことに驚いたという短い尺だった。

たしかにここは肝心。いくら子供の頃から絵を描くことが好きでも、20代前半まで評価されていないのに、ずっと熱心に作品制作に取り組めるのは、おそらく後にも先にもコサカ君しかいない。なぜここまで腐らずに高いモチベーションで、美しいクオリティーを求めて試行錯誤と創意工夫し続けたのは、絵を描くことが絶対的な宝だったのだ。

つまり、コサカ君は早くから人生でかけがえのない宝ものに気が付いて、ただただそのことに純粋に向き合っただけ。美術大学へ行って学ぼうとか、美術家になろうなんて二の次三の次。自分の一番大切なものにするために、絵を真面目に描かないと罰が当たると信じて、その瞬間にできることを尽くしていった。正に好きこそものの上手なれ。いつも楽しんでやることで上手くなっていく。

好きな乗り物描き「光」に個性 試行錯誤の末に見つけた新たな道 注目のイラストレーター、コサカダイキさん | TBS NEWS DIG