十進九退

仏教用語の「十進九退(じっしんくたい)」とは、仏教の修行は仏の考えに従って厳しく困難なため、 道を志した10人のうち9人は脱落して途中で諦めていく。または、悟りを得るためには十の努力をして九は実らず無駄になるため、多くの時間が必要になってしまうことを意味する

美術家を目指す人も同じくらい困難と向き合わなければならない。なぜなら、その人にとって何をどう表現すればいいのかは、あやふやで曖昧な答えしかないからだ。世の中の物差しに合わせれば、ありきたりの作品になってしまう。かと言って物差しを無視すれば、良し悪しの価値基準は夢遊病者の如く、何もわからないまま揺らぎ続けていく。

とにかく簡単にいかないことだらけ。頑張れば夢が叶うほど甘い世界ではない。こうした覚悟を持って創作しないと本当の自分の姿が見えてこない。自分を美術の世界へ追い込まないと、潜在能力をフルに発揮することはできない。挫折や失敗にきちんと向き合い、難のある人生を感謝して肯定していく。試練を有難うだと思って生きれば、自然になるようになるだろう。