十進九退

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仏教用語の「十進九退」。仏道修行は困難で 十人が進んでも、そのうち九人は退くことになるということ。また、悟りを得るために十の努力をしても、九までは無駄になり、多くの時間を必要とすることを言う。たしかにどんなことでもやり遂げるまでには、たくさんの失敗や困難を乗り越えていかねばならない。目の前にはなんの障害もなく、すんなりと上手くいくことなんて、ほとんどないと言ってもいいのではないのか。なので失敗や困難に直面してしまっても、そこでへこたれずに這いつくばって生きること。本気で願っていることだったら、おじけづかずに思いっきり頑張ればいい。努力が正しいものであれば、必ず報われる日がやってくるもの。ピンチになっても努力することによって脱出できると信じて行動することが大切になるのだ。

そして、また、美術家の人生も十進九退なのである。自分らしい世界観を求めれば、そう簡単には独自性の高いものは手にできない。とにかくチャレンジを積み重ねて、前向きに進み続けていくしかない。だから一生懸命に創意工夫しているのに、本当に成果が出てくるのだろうかと、不安な気持ちに負けてはいけない。世の中で活躍している人たちを意識し過ぎて、焦ったり急いだりすれば、やがて息切れをして動けなくなるだろう。

つまり、ものごとを成し遂げるためには、自分のペースでコツコツとやっていくことが肝心だ。自分の能力を超えてしまわないように、経験したことを参考にしながらペースを掴もう。誰かの真似をして利口ぶったり、抜け目なく立ち回ったりしても、いずれ化けの皮が剥がれてしまうもの。美術の神様は美術を愛している人の味方をする。誠実に創作へ取り組む人に手を差し伸べてくれる。そう、自分らしく創作に心掛ければ、どのような人であれ、個性を豊かに表現していけるのだ。十進九退!夢があるのなら不屈の精神で頑張っていきましょう!!