疑問や不安

一昨日、ちょっと前から仲よくなった中学1年生が親御さんとともにやってきた。相変わらずいろいろと悩んでいる様子。どこか曇って重苦しさが感じられる。だけど、これは真剣に生きようとしている証拠。いくらでも甘えて生きていい時代に、真正面から疑問や不安に向き合おうとしている。そんなヤングドン・キホーテは見れば自然に微笑ましくなる。

ちなみに、この日も学校のことから美術のことまで、どうしたらいいのかと相談される。本人にしてみれば深刻なことばかりだろうが、こちらにしてみれば一般的な中学生が抱える悩みなので、ちゃんと言いたいことを聞くだけで良いように思った。まだまだ子供レベルのことだから、真面目に受けとめれば、後は本人の基礎能力で筋道を立てていけるはずだ。

ただし、ピカソの作品を馬鹿にするクラスメイトに、何か言ってやりたいは自力では難しい。これは専門知識をひけらかせて、理路整然と相手に申しつけたところで、馬の耳に念仏になるだけ。それ故、あなたがピカソをもっと知って面白がれば、人はつられて引き込まれやすいから、言葉にしなくても背中で魅力を語れるよと教えたら、明るい顔で納得してくれた。