良心

ゴッホが残した「良心は人間の羅針盤だ。その針はときに狂い、示された方角にはしばしば不規則さを感じ取るが、それでも指示に従うようにせねばならぬのである」という名言がある。

この前の日曜日、縁あって仲よくなった中学1年生と本気で話していると、頭の中に『良心』という二文字が浮かんできた。その理由は人見知りで内気なため、よくクラスメイトにいじられている。だのに自分の表現力の乏しいことが原因だと言い、他人の責任にして当たり散らさないのは、要するに人を信じて擦れてない純真さがあるからだ。

それ故に、観せてもらった絵は半端じゃない集中力で制作されていた。お小遣いで百均で買った絵の具や筆で描いたとは思えないほど、斑や澱みのない品質の高い作画に仕上げている。やはり好きなことに純粋無垢でまっすぐに取り組めるのは、人生でこの時期限定の代えがたい武器である。だからこそ、今は何ものにも染まることなく、天真爛漫で自由に生きて、そのまま凛としていればいい。