笑顔

書道家 武田双雲の著書に「書道の世界には書体の変化がわかる辞典がある。漢字の字源を追っていくと、『笑』と『咲』の字源が同じだということを見つけた。笑うと咲くを同じ漢字で表現したことに驚きを覚える。笑顔がたくさん増えている状況を見て、花が咲いているようだと感じたのか、その逆もあるのか。笑顔が花のように咲いていくことで、世の中は変わるといった大きな志があったのかもしれない。『笑う門には福来る』という名言がある。まさに笑いは幸福の花を一面に咲かせる力を持っているのだろう」という一文がある。

笑いとはユーモアによって生まれて、明るいエネルギーに満ちている。その場の雰囲気を和ませてくれて、円滑なコミュニケーションを育み、フラットな関係を築くエッセンス。笑みを浮かべながら語り合っている時は、自宅の庭に色づいた花が咲いたように、人生の肯定感を深く味わっていけるだろう。つまり、ユーモアのセンスというのはあった方が人生を豊かにしてくれる。どんなに苦しい時でも周囲を笑わせることができる人の方が親しまれていく。私はそういう意味だと解釈している。笑みと花は人々の心を自然にリラックスさせることができるのだ。