評価基準

相田みつをの詩に「にんげんはねぇ  人から点数をつけられるために  この世に生まれてきたのではないんだよ  にんげんがさき  点数があと」がある。

いわゆる学校美術は何らかの評価基準を設定して成績表の点数をつけている。基本的には、課題制作の上手い下手ではなく、『関心・意欲・態度』「発想力・構想力」「表現の技能」「鑑賞の能力」だと言われている。いずれにしても、担当教員のさじ加減ひとつで優劣が決まるため、理不尽さを感じる人たちは美術への不信感が生まれていく。

これでは採点者の好みに左右されてしまい、優等生タイプが重宝されやすくなる。また反対に自分の意思を堂々と主張したり、個性的な考え方や行動をする生徒は冷遇されかねない。つまり、美術教育というものはあくまで手段であって、目的は人生の豊かさを増やすこと。実は見えていない視点、見えていない価値がたくさんある。それらの美意識を育むための学びの場なのだ。これほど点数評価の似合わない科目はないだろう。