個人差

岡本太郎が残した「うまく作る必要なんかない。うまく出来た作品なんて、面白くもへったくれもない。かまわないから、どんどん下手にやりなさい。その人独特の文体というものがあるはずだ。絵ならその人の色。ダンスなら、その身体の動きの物語る世界。それは自分が発見し、確かめてゆくもの。教わることはできない。芸術は創造だというのはその意味だ」という名言がある。
いわゆる学校の成績というものは試験の結果によって評価される。その人が学んだことを理解しているかどうかを試験で確かめていく。それ故、百点満点を目指して勉強するのだが、美術という科目は試験くらいでは本当の力を図ることはできない。
なぜなら、他の科目にはおおよその解答基準があるけど、美術は独自性の高い個性が評価基準になるため、表層的に上手いとか下手とかではなく、観る人の心に響くのかどうかなので、それはみんな感じ方が違うから相対的な評価には適さない。つまり、感性は点数のつけようはないし、学校で教わることもできないけど、誰もが生まれ持っているから、自分らしく感じられればそれでいいのだ。