惑星直列

惑星直列という言葉がある。その意味は太陽系内の惑星が太陽に向かってほぼ一直線に並ぶ現象のことだ。今月の山口市はさながら惑星直列と呼びたくなるほど、いろんなアート展が同時期に開催されて、文化芸術の力で街は活気に満ちている。それもその気になれば1日で観て回れるため、誰でもたくさんの刺激を楽しむことができる。
やはりこの街のポテンシャルは高い。古から文化への熱い思いが脈々と続いている。1551年4月、サビエル一行が大内義隆に珍しい文物を献上した中に、布教に使用する油絵具や銅版画で描かれた宗教画があったと推測され、作品そのものは歴史の動乱や耐久性で存在していないけど、日本初の西洋美術が伝来の土地であることは間違いない。
つまり、山口市には大内時代からいい感じの文化芸術の風が吹いている。ついつい平凡そうに思われるけれど、ここにしかない美点はいくつもある。そんな街の魅力を米国の新聞社に評価される。いろいろなことが重なり合いながら育まれたありふれた風景の中にさりげない魅力を発見したからだろう。