ミサ

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1551年4月、サビエル一行は大内義隆に珍しい文物を献上して、それに喜んだ義隆はザビエルたちに宣教を許可し、信仰の自由を認めてもらえた。この時に献上された品とは望遠鏡の他に、置時計、鏡、眼鏡、書籍、絵画、小銃などがあったとされる。つまり日本に初めて西洋絵画が伝来したのは山口で間違いない。これは10数年前、研究者としても知られる著名な版画家とお会いした時に、布教に使ったと思われる銅版画の行方について尋ねられ、各所に問い合わせて調査したが作品や記録はなかった。ただし、それについてはどの分野の方も肯定的で、歴史の動乱や耐久性から存在していないと推測された。
あれから約468年後、西洋絵画伝来地でイタリア人画家が県美展で大賞を受賞する。大内文化が栄えた中心地に居を構え、歴史的な街並みの魅力を個性豊かに描いて、私たちに美しい世界が身近にあることを教えてくれた。そして、山口市は西洋の街に負けないくらい面白くて、これからもっと素晴らしいものを楽しみたいと語ってくれる。おおー!、なんてリスペクトしてくれるんだ。この土地に住んでいる以上、この土地にあるものを活かし、この土地を愛して創作していく。つまらないことに気をとられていると、人生は短くなって味気ないものになる。だから今自分がいる場所を大切にして、小さなものにもやさしく触れ合ってみたい。ロベルトさんの作品に日本の精神、「思いやり」を感じるのは、そんな繊細さがあるからだろう。これからも西洋絵画の伝導師として、山口の文化発展に寄与することを期待しています!
■第72回山口県美術展覧会 2019年2月14日(木)~3月3日(日)9:00-17:00(入館は16:30まで) 休館 月曜日 観覧料 一般500円、学生400円、70歳以上・18歳以下・障害者料 山口県立美術館 山口市亀山町3-1http://www.yma-web.jp/