論より証拠

格言にある「天は自ら助くる者を助く」とは、天は他人の助けを借りずに自分自身で努力する者に力を貸してくれるという意味である。平たく言うと、誰かの力に助けてもらって、どうにかしようとする人に、充実した成功体験は味わえない。人生は自らの手で未来の扉を開くしかない、自助の精神こそが大きく成長するための礎になるのだろう。

しかし、実際に自ら先頭に立って努力する人のそばには、それが上手くいくことを願って、サポートしたい人たちが集まってくる。その熱い思いをなにも語らなくても、積極的に取り組んでいく姿に心打たれて、何か手伝うことはないかと近づいてくる。そうやっていろんな力が重なり合って面白くなっていく。英知を結集して磨かれていくのだ。

それは山口情報芸術センターで行われた「Afternote 山口市 映画館の歴史」で実証される。山口市から映画館がなくなって、かなりの年月が過ぎた現代に、小さな文化の破片を丁寧に拾い集めて、この街に眠っていた映画の素敵な思い出を温かく紡いだ。これも制作をした志村信裕君のハートが創り出す。彼の描く世界観にたくさんの人が夢を見て、映画へ出ているような気持ちになれたからだ。