ひっそりと

東京か、パリか、ニューヨークでなくてはという考え方は昔日のものだと思っている。これはあくまで私の年齢で言えることで、若い人はそうでなく、別の考えを持っているかもしれぬが、私は私のことだけを考え行動に移せばよいのである。今からなおさらそんな時代になると思う。 1967年7月24日 香月泰男

今年の1月に山口市ニューヨークタイムズの「2024年に行くべき52カ所」の3番目に選ばれる。どういうポイントが良かったのかはわからない。だけど、この街は変によく見せようとしなかったり、やみくもに流行を取り入れなったことで、昔ながら日本文化の雰囲気が残っているため、そのことが豊かな魅力として高く評価されたのだろう。

つまり、人の手の入っていない田舎ならではの美しさを称賛される。都市開発されなかったことと、伝統的な文化が随所にあることが魅了になったのだ。やはり自然体で生きられる場所は楽しい。自然の中で伸び伸びと心地よく過ごせることは、人工構造物に囲まれた都会では味わうことはできない。ごくありふれた景色の中にひっそりと幸福は隠れている。