ゴールを設定

昨夜のNHK総合「新プロジェクトX 挑戦者たち」は、携帯電話開発競争に出遅れた後発端末メーカーで、畑違いの会社から集まった弱小タッグによって、起死回生でカメラ付き携帯電話を創り出すまでのドキュメンタリー。反骨のエンジニアたちが無理難題を乗り越えて、まったく新しい携帯電話を執念で世に送り出したのだった。

この番組の最後にあるエンジニアが退職する日に後輩たちへ「自分のゴールを設定したら、実際何を知らないのか、何を学ばないといけないのか、具体的になります。本当に真面目に一生懸命やると、すごく意外な結果になるんです。私がそうでした。ぜひみなさんも自分のゴールを設定してやっていけば、よりよい人生が送れると思います」と告げた言葉が印象に残った。

同じことは美術家にも言える。子供だったら将来の夢は美術家で良いけれど、大人なら理想の美術家を鮮明にしなければ、いつまでも夢みたいなことばかりを言って、現実逃避しているだろう。だからこそ、まずは暫定的でいいから具体的なビジョンを掲げよう。そうすれば今やるべきことが見えて、美術家へ近づけるチャンスが広がるはずだ。