一番大事なのは、育つってことだろう。
都会の中には育つなんて、ほとんどないんだよ。
固定してしまうんだよ。食べ物すら固定されてくる。
そういう中で、我々はほんとうに育ってゆくだろうか。
育つって言うのは、育つものを見ない育たなくなる。
都会の人たちは人まで育てなくなりだしたんだよ。
型へはめだしとるじゃろ。
大事なのは、一人ひとりの育つ能力だよ。
それをどれほど持っているかだろう。
それをみんな見失い始めてるんだ。
それを見つける力を持っているのが君たちなんだ。
今から約３５年前に鬼太鼓座（おんでこざ）の将来を悩む座員たちへ
語られた言葉。彼らに初心を振り返らせる勇気を与えて、
鼓動を立ちあげ、現在の活動につながる夢を、彼らは持つことになる。（資料より転載）
友人が持ってきた「太鼓芸能集団・鼓動」に残した宮本常一の言葉に
書かれているものです。何かを考えさせられ、感じさせられるので転載しました。
しかし、これを読みますと現代は地方も都会化していることに気づかされますね。
身の回りにある自然や人の縁が近い田舎の文化を見直したいと思います。
