美術家になる

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絵は誰にでも描くことができる。それは事実であって間違いではない。しかし、誰にでも描ける程度の絵を制作しても、実際の美術の世界ではどうにもならない。プロの美術家としてデビューもできないし、ましてや作品を売って生活することもできない。この1年間、ギャラリーにはこれまでになかったくらい、若い層を中心にした作品の持ち込みがあった。みんな夢を持って頑張っている人たち。応援したい気持ちはやまやまあるのだが、普通の人にできないような創作ができなければ、プロの美術家になれないことを理解していない人が多かった。なぜなら絵を描くこと自体は誰にでもできること。従ってオリジナリティがあるもの、コレクターが欲しがるもの。少なくともこの2つの課題をクリアできなくては土俵に上がっているとは言えない。裏を返せばこのことを理解できるのなら、美術の世界で十分にやっていけるのだ。私は自己満足型、自己陶酔型の人は美術家として向いていないと思っている。永遠に危機感を持って、新しいものを創ってこそ美術家なのだ。だから自分なりの世界を求めて努力をし続ける覚悟があるのなら、そういう人は美術家だと胸を張っていたらいい。こうすれば美術家になれる方法なんてないことを理解できたらそれでいいのだ!