青春時代

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昭和が生んだ偉大な作詞家・阿久悠。子供の頃、その歌はテレビから数知れぬほど流れていた。私が小学6年の時に流行った「青春時代」。ヒット曲の1つだ。当時、意味も知らずに口ずさむ。近年、たまたま目にした阿久悠の著書によると「青春という時代は不確実で不透明で、実に理不尽なものである。この理不尽さは高校野球と共通している。だが、それも誰にも与えられた有限の試練だと思えるから耐えられ、あとになって、ほのぼのさに変わったりできたのである。青春は素晴らしい。だからといって、あの時代をもう一度やろうとは思わない。それほど辛いからである」と書かれていた。

なるほど!たしかに10代後半から20代全般は、頭の中で考えるより行動すること。自分に何ができるのかを試していく時だ。当然、上手くいかない時だって多くある。人生の経験不足を露呈する。自分の実力を知って悲しくもなる。それでも前へ進まなくてはならない。苦いものを噛みしめながら生きていく。逃げずに目の前のことを一生懸命にやるのだ。そんな若者たちへの賛歌だったのだろう。なお、この著書の末文に「今、青春がないと感じるのは、年代の結び目がなくなったノッペラボウの一生で、十五歳も四十歳も同じ顔をし、同じ思考しようとしているからかもしれない」とも書かれていた。これは今現在の社会現象を的確に表した言葉。人間の本質を追い求めていたから、凝縮してぽつりと言えるのだと思った。