子供の頃からアニメ映画を観て感動することがあったら、その中でもっとも印象に残ったシーンを描いて、少しでも本物そっくりになるように努力していた。それはただ単純に素晴らしかった映画への憧れと敬意への表れ。次々に新しく生まれる文明の利器を使ったら簡単に手にできそうなものを、実際にわざわざ描いていくのは、自分が自分の手で感動した証拠を残したかっただけ。たった一歩でも夢の場所へ近づきたい純情な思いがベースにある。他人から見れば要領が悪くて無駄なような行動。それでも信念を貫く。勝手にあれこれ悩みながら創意工夫していった。マニュアルなんて便利なものはない。イメージを思い出しながら手探りで表現させていく。この不毛な作業を飽きずに、何度も繰り返しながら大人になって、そして、今日も同じように感動を描き写そうとしている。
そうやって大事なものをすばやく発見しては、具現化するために無我夢中に制作して、心を躍らせていくライフワーク。マンネリ化しないために一ランク上の宿題を作りだしては、その都度、頭を抱えながらそれなりにできるまで取り組んでいった。なかなか上手くいかないことのないチャレンジばかり。だけど、本気でやりたいことだからモチベーションは落ちることはない。これをやってみたいという意欲は衰えず、いつまでも自分らしい夢を追い求めていった。この平凡なことが非凡になるまで積み重ねが質を向上させる。やはり実践は上達の最高のトレーニング！創作だろうが、趣味だろうが、全力投球の姿勢から最高のパフォーマンスは生まれてくる。好きで惚れたことならベストを尽くすのみ。すべてのエネルギー出そうとすることだ。若い彼から創作の基本を学んだ。恐れずに立ち向かう気持ちが大切なのだということを。
■コサカダイキ個展 ポジとネガ 2019年6月21日（金）～30日（日） 11:00-19:00 定休日 6月25日（火）、26日（水）
