ユーモア

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その昔、ある方との会話中に「知識」と「知恵」の違いについて尋ねられた。そこで机の上に置いてあったモノ差しを手に取って、「知識とはこのモノ差しのようなもの。ハッキリとした基準があることで、世の中の価値観はわかりやすくなる。そして、知恵とはこのモノ差しの機能を応用して有効に使うこと。つまり背中のかゆい場所を癒すためにあるのだ!」と、モノ差しを手に取って背中を掻きながら、冗談のつもりで言ったのだが、面白い考え方だと感心されてしまった。う~~ん、なんだか勝負に勝って試合に負けたのような気分だ。やはりユーモアというものは簡単ではないと思った。
昨日の夕方、親しい仲間と語り合っていた時に、このやり取りを思い出す。「少し視線を変えて作品鑑賞してみると、まったく違って感覚になって見えますよ」と言われて、実際にしゃがんでから作品を観てみると、あら本当に違ってくるから不思議なもの。当たり前に作品を立ったまま鑑賞するだけではない。ユニークな彼女の作品だからこそ、楽しく観ることができる秘密のスポットがあるはずだ。ただ斬新さばかり強調した表現では、すぐに見慣れて飽きられてしまう。真面目に作品制作に取り組みながらも、どこかで遊んでいるような空気を漂わせて、不思議な魅力を感じる視点で捉えるのだ!そんな作品をより楽しむためのアドバイス。そう言ってくれたことに素直に敬服する。やはり美術談義は意味が生まれる。とても良い学びの時間になりました。
■はやしいくみ 個展 海とか 空とか 2019年8月14日(水)~18日(日) 11:00-1800(金・土は19:00まで)