感動

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とかく素晴らしい美術作品を創るには、達悦した技術が必要だと言われている。それは様々なテクニックを屈して、画面をきちっと構成していくことで、表現は美しくなるという定説の存在が大きい。それはそれで一理も二理もあって、合理的で正しい考え方なのかもしれない。どんなに面白いイマジネーションでも、具現化できなかったら日の目を見ることはないからだ。
しかし、美術は技術の上手さだけでは勝負できない世界。私個人の意見を述べるのなら、まず第一に人を楽しませたいという気持ちが大切だ。「こんなことを描いたら、喜んでくれるだろう」、「こんなことを描いたら、笑ってくれるだろう」など、観る人への伝わり方を考えて制作することで、惹きつける魅力は大きく変わってくる。このような気持ちが根底にあったら、モチーフの選択肢は変わって、独りよがりに陥る可能性は低くなるはず。これは決して媚びている訳ではない。思いやる気持ちこそ人の文化だ。卑下することも恥じることもない。
つまり言いたいことはしたたかに計算して制作するのではない。自分自身の純粋な気持ちを一番の基本にして制作することだ。技術力というわかりやすいもの差しで作品の良し悪し計っていると、これから先の未来においては、人工知能や先端工業技術によって、人間の技術力よりも遥か上の作品ができるから勝ち目はない。どこまでも人間らしい情のある世界を追求していく。自分にしかない感性を肯定することで、自分らしい創作になっていくもの。あなたが感動したことは、たいていの人も感動してくれる。人間は老若男女、国籍や民族の壁を乗り越えて、通じ合えるから人類は発展してきたのだ。だから自分の面白いにこだわって、とことん努力していきましょう!