四民平等

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その人が人生でずっと創作したいのならまず、自分はどんな分野の美術ができそうなことを知ることが大切だ。誰も子どもの頃だったら天真爛漫が許され、何ものにも縛られず自由に生きることができる。しかし、自由なことばかりを追い求めてしまったら、いつまで経っても自分の資質がわからず、やりたい放題のわがままな人になりやすい。ついつい自分自身の人生なのだから、何をやっていいと思い込んでしまうのだ。だけど、実際はそんなことはない。例えばビビッと頭の中に浮かんだイメージを具現化するには技術力が必要だ。いくらで口で素晴らしいことを言えても、表現能力が低かったら口だけで終わるだろう。やはり表現できる義務を果たしてこそ、美術家としての評価に繋がっていく。この現実を真正面から受けとめてこそ、本物の舞台の真ん中に立てるのだ。

つまりどんな人でも美術家になれるチャンスがある。それを活かすかどうかは美術を真面目に取り組んだどうかによって決まってくる。頭でっかちの理想主義者ではできない。口先だけの屁理屈家さんでもできない。普通に美術が好きだからこだわること。きちんと学びたい精神によって育まれていくもの。このような基本を第一にすることができれば、今やるべき実学を積み重ねていって、美術家としての才能は高めていくことができるはず。そう、いつまでも美術を学ぼうとするかしないかが運命のわかれ道になる。どこまでも美術家になるために、自分の行動を正しく熱心に勉強し、広く美術を知ろうとする意識が大切だ。美術家になれるかどうかの違いは生涯にわたって美術を学ぶかどうかによって決まっていく。しっかりと美術を勉強する覚悟があったら、美術界では何も怖いものはなくなるから、わたしたち一人ひとりが限界まで挑戦して、自分の役割を行使していきましょう!

■中野 寿子 イラスト展 2019年10月11日(金)~27日(日) 11:00-18:00 お休み 10月15日(火)、16日(水)、17日(木)、22日(火)、23日(水)