発展途上

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7年前、「短大+専修科」の3年間の学生生活が終わり、何かの仕事に就いて働くこともなく、いきなり創作活動の世界に飛び込んでいく。まだまだ美術の世界について、ほとんど訳がわからなかったはず。それでもそこにはきらきらと光り輝く希望があった。彼女は本物の若さゆえに迷うことなく決断してしまった。なんとも大胆不敵な行動。これをぶっちゃけに言ったら、無知以外の何ものでもない。いや、やっぱり天真爛漫に生きているだけ。いつか美術家なれると信じる夢見る夢子らしい奇想天外な社会人1年目のスタートになった。

そんな楽天的な彼女に転機が訪れる。学生時代にバイトしていた文化施設の職員にチラシのデザインを依頼される。芸短を卒業したからできるよね?と、あたたかい気持ちからの申し出があった。そこですぐにやります!と勢いよく答える。しかし、よくよく考えてみたら、デザインは学んだ経験はなかった。思わず嘘を言ってしまった。嗚呼、どうしよう。だけど、この期待に応えたい。それならやるしかないと腹をくくり、短期間に手当り次第にデザインを勉強し、なんとか無事に納期に間に合わすことに成功した。ちなみにこれは嘘から出たまことではない。プレッシャーによって火事場の力が発揮されたのだ。そう、ここ一番のピンチを乗り切るために潜在能力がオンになった。さらに若者だから伸びしろもあったため、一気に成長して形になったのだろう。これぞ若さから生まれた才能だ。その後、彼女はこの分野の依頼が増えてこつこつとその仕事をしている。いわゆるワンチャンスが人生を大きく変えていった。やはり人生は出会いによって面白くなることがある。私たちはみんなドラマを超えるドラマの中に生きているんだ。

■Hello,Full moom akari yoshida Exhibition 2019年11月1日(金)~6日(水) 11:00-18:00