目から鱗が落ちる

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若い人によくありがちな傾向と言えば、自分の価値観だけでモノを見ようとすることだ。ついつい自分という城に閉じこもり、生半可な知識から理屈をつくりあげて、自分の論理は正しいと思い込みやすい。例えば「美術家になるためには美大進学が必要だ」と考えている人がいたとしよう。たしかに一理はあって大切なことではあるけど、それが美術家になるためのすべてではない。美術家になろうとするのなら、もっといろいろなルートがある。この事実を知らないというのか、自分の城から出ることができないまま、ただ美術界を漠然と眺めているだけ。1つの考え方に捉われて全体が見えなくなり、その結果、自分で自分を過保護にして小さな世界にしているのだ。

つまり若い時は自分という城から外の世界へ飛び出して、たくさんの人や作品などに出会うことが大切なのだ。固定観念から自己を開放させて、目から鱗が落としてやろう!とかく人は自分の可能性がよくわからないもの。あらゆることに惑わされて身動きが取れなくなっている。こんな時は頭を冷やすこと。この世の誰かにできていることは、自分にもできるチャンスがある。素晴らしいと言われるものを徹底的に学んで、さまざまな創意工夫をすると足元くらいには及ぶかもしれない。そして、そのきっけかになって視野が広がると、これまでになかった感性が芽生えて面白くなってくる。最初からできない理由を見つけて諦めるのはよくない。美術はどこまでやれるのかを楽しむ世界。自分自身の可能性を求めて果敢に創作していきましょう!