読解力

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読解力という言葉がある。辞書で調べると「文章などを読み解く能力のことを指す。とりわけ教材としての文章の内容を正確に読み取る力という意味合いで使われる」と書かれてあった。なるほど、わかりやすい解説文だ。どちらかと言えば一般社会というより学校教育での評価基準に用いれるもの。誰かが勝手に何かを根拠にして順番付け、よくわからないランキングで差異をつくっていく。「テスト」と呼ばれる制度には適しているけど、それ以外でも果たして上手くいくかと言われると、その答えはそうじゃないと言うしかない。おそらくテストで与えられた問題には、答えがあるためなんとかなるにしても、自分の経験を元にして語るフリートークでは、自分で自分の答えをつくれるのが勝負だ。相対的な答えではなく、絶対的な答えを求めていく。だから読解力という言葉はアマチュアのような空気を感じる。規格のある社会に存在するような価値観だ。もっと自由に読解力は楽しむべきだと思っている。

ところで、先日のニュースで日本の子どもの読解力は低下傾向だと報じられていた。私はこの話題を耳にした瞬間に大きなお世話だと思った。なぜなら日本人はその昔から本当に読解力が良かったのだろうか?そんな疑問が頭をよぎったからだ。また、そもそもこの出題は日本人にとって適正なのかがわからない。それぞれの国や民族に得意不得意の分野があるため、それを一律に計ることはできないはず。もっと冷静になって受け入れるべきだと思った。それにしても今の日本人は何らかの順位に依存しないと落ち着かない。ランキングを信用する順位症候群を患った人が増えている。だから何かのデータが発表されたら跳ね返す力が弱くなった。言いたことは言わせてやれという堂々とできなくなっている。もっと、自分自身の価値観を第一に生きていこうじゃないか。誰もが自分にしかない読解力を持っている。多数決では判別できない自分らしさを求めて、ラング外の世界にも目を向けて広い視野で人生を歩もう!