一回だけで勝敗を決することを一発勝負という。昨日まで行われた大学入試センター試験は一発勝負だから、本当の実力が出るとは限らないなんて言われるもの。いわゆるスポーツで例えるのならトーナメント戦。シーズンに何度も対戦する長期のリーグ戦と違って、その日だけのワンゲームだったら、どんな結果になるのかはやってみないとわからない。10回ほど戦って1回しか勝てなくても、その1回がここ一番でやれたら勝者になれるのだ。下剋上という言葉ではないけど、勝ちたい気持ちを集中させることができたら、小さなチャンスを活かせるかもしれない。これを大きな目で全体を見た場合、こんな奇跡があるから挑戦したくなる。だからこそ知識や才能は負けたとしても、この一番の勝負への熱意だけは負けてはならない。自分よりすぐれた人は山のようにいて、勝てないことはたくさんあるだろうが、たった1回だったらこれまでの勝率を覆せる。果敢に一歩前へ出ることで思わぬ力を発揮して幸運を掴むことがある。
このことと同じように県美展も一発勝負！過去の実績などを度外視して、出展した作品のみで勝負できる。これまでが良くても、そうでなくても、フラットな状態で挑戦していい。しかも審査員は毎年代わるから有利になることもある。今現在の運と実力を試すにふさわしい公募展と位置付けよう。とにかくベストの作品で挑戦する強い意志があれば、火事場の力も加わってこれまで以上の能力を出せるはずだ。ただし、ベースがしっかりしていなければ、まぐれになってしまうこともある。審査員はその時に出展された中で選び抜くため、必ずしも絶対的な評価になるとは言い難い。所変われば品変わるではないが、公募展とは審査員によって評価が変わるもの。同じ作品でも違う審査員だったら評価は大きく変わってくる。つまり今日の評価が良いからといって、明日もその通りにいくかとは限らない。明日の素晴らしい美術とは誰にもわからないもの。結果は通過点だと考えて謙虚な心のまま、ひたむきに努力していこう！
