若者たち2020

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このたびのグループ展の入場者数はとても良いペースで推移している。2007年より県美展と同時開催を始めてから、もっとも多い人出に恵まれて対応に追われる。てんてこ舞いという言葉で形容するのがふさわしい日々。やはり吉村芳生さんの持つ求心力は素晴らしいもの。これまで全国各地で行われた展覧会でファンを魅了した世界は本物だ。また、もう1つの特色をあげるとしたら若い人の姿が目立つことだ。少子化と言われる時代にそれなりの数になったのは、20代の出展者が15名いることで関心が高まったからだろう。ただし、それは羨望と嫉妬の眼差し。変に褒め称えて立ち回るのはよくないが、だと言って揚げ足を取ろうとするのは論外。微妙な心理が複雑に入り混じりながらも、とにかく未来への試金石になるように我慢することが大切だ。美術家を目指す人なら、少なくともそうあって欲しいと願っている。

つまり20代は何の屈託もなく美術に面白そうと興味を持てるもの。まだまだ固定観念の域に達していない。好きなものや興味のあることは探していきやすい。良くも悪くも経験不足の時代。すべてが新鮮に感じられ、面白そうに見られて、感情移入することができるはず。これが30歳を過ぎて様々な経験も味わえば、どんどん頑固になって柔軟さは失われていく。自分の殻を破るようなインパクトのある出会いはそうそう簡単に訪れることはない。若気の至りと言われる時代に自分の夢へ果敢に取り組んでいくこと。「これは、ちょっと面白いかもしれない」と直感でひらめいたなど、まずはその程度のものを見つけることから始めていこう。本展は出展作家の人口構成がピラミッド型になっている。それは若者たちにはサドンデスを勝ち上がることを期待したからだ。要するに美術をどう学べばいいのか?このヒントはここにある。ぜひお越しいただきお確かめください!

■HEART2019の関連企画 県美界隈展 『花』、Y氏とともに 2020年2月13日(木)~3月1日(日) 11:00-18:00 火水定休