達観していく

f:id:gallerynakano:20200421235359j:plain


「やきもちを妬く」という言葉は、自分より上手くできる人のことを、勝手に妬んでしまう心模様。ただ感情的になって未熟な心に流され、引きずり降ろそうとしたり、揚げ足を取ろうとする心理状態のことを言う。本来なら自分と相手を比較して、相手の方が優れていれば、自分も負けずにやろうと奮い立ち、なお一層の努力に取り組めるはず。自分の実力を素直な心で見つめて、どうやって頑張ればいいのかを追究することだ。そうすれば、無駄に高いプライドを捨て去って、裸になって一から挑戦していくことができる。だからやきもち妬きのままでは向上していくことができない。誰かを蹴落としたところで、必ず自分の方がその上に行く保証はない。ひがむ気持ちをリバウンドさせて、自分自身の魅力を磨く力にすることが大切だ。

ところで、美術の世界は自分が思っている通りに、なかなか自由に創作できないもの。表現力や技術力、色彩のセンスなどが厳しく問われるため、そう簡単には評価してもらえない。積極的に取り組んでいたことが空回りして、行き場のないフラストレーションから、やきもちを妬くような気持ちになりやすい。しかし、美術の世界というものは公正さが保たれている。美術は自分らしい個性を究めていくもの。古今東西にいる美術家たちとの戦いではない。周囲にいる人たちを引きずり下ろしても何の意味もない。それよりも自分の世界を少しでも大きくなるようにした方がいい。やきもちを妬く暇があったら、自分を向上させることに集中しよう。人は足らないことがあるから成長することを楽しめる生きもの。すぐに理想へ行けないから人生のドラマを満喫できる。妬むことは誰にでもできる。それを乗り越えて独創性の高い世界を求めていきましょう!

臼杵万理実 作品展 2020年4月10日(金)~26日(日) 11:00-18:00 火水定休