孤高の精神

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「人間にとって成功とはいったいなんだろう。結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか」というのは岡本太郎の言葉だ。

創作の世界にゴールなんてものはない。美術家は永遠に向上することを夢見て、いつも理想の作品へ向かって努力すればいい。独自の力で表現していこうとする意欲によって、未知の創造性が生まれる切っ掛けになる。だから、作品が成長や発展していく過程のなかで、ある程度の域に達するまでは、その結果に一喜一憂することはない。どこまでも独創性を追究することが大切になるのだ。

私は美術家という職業はとても過酷なものだと考えている。これは自分の天職だと信じて、何度も何度も挑戦を繰り返しながら、終わりのない希望の旅を歩んでいくだけ。昨日よりも今日、今日よりも明日はいい日になるはず。そんな天気予報よりも当てになりそうもないものを羅針盤にする。いわゆる鰯の頭も信心からではないが、「才能がある」という当てにならないことを根拠に、美術愛を燃やし続ける人生をやり抜いていく。美術家の才能は孤独のうちに育まれ、荒波の中で揉まれて強くするしかないからだ。