あきらめ

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今年の2月下旬、ギャラリーでは県美展関連のグループ展を開催する。参加したのは20代から60代までの総勢45名が参加した。花をテーマに1人1点の出展し、42年の歴史の中で一番多い人数が集まった。また、全国区で活躍したスターの作品もあったため、予想以上の反響と来場者に恵まれて、活気のある数週間を過ごすことができた。しかし、好事魔多し。この直後に新型コロナ感染症のおかげで、あっという間に勢いにブレーキがかかった。しかも、これまで自然災害や経済失速によって打撃を受けたことは何度もあるが、このたびのことは過去に類を見ることのないクラスだ。いきなり戦地に立たされたようなもので、長い戦いをすることを覚悟させられた。

こんな時はやはりあきらめの心を持つことが肝心だ。いわゆる仏教用語でいうあきらめの精神で、自分が思うようにならないことをハッキリとさせることを言う。つまり、これは人が思うままになることか、ならないことかを明らかにすることが大切だ。そして、思うようにならないことは、思うようにしようとせずに、ただただ現実を真正面から受け止めるだけでいい。今できること以外はあきらめることで、最善にやるべき努力目標が明確になっていく。無理矢理に、思うがままにできないことを、思うがままにしようとしないことで、自分の能力が発揮できる道筋が見えてくるのだ。

人は万能じゃないから実際にはできないことの方が多い。マルチと呼ばれる人であっても、全知全能に長けているわけではない。私は50代になってから夢が叶うことが増えてきた。それはこれからやれそうことだけを夢見ているからだ。若者から見れば、細やかで小さな夢だと思うだろうが、この年齢で夢を持って、それなりに取り組んでいけること自体に意味を感じる。いつまでも世界の片隅で自分の役割を果たして生まれる喜びを味わってみよう。そう、大きな円の小さな弧を支えて生きていけばいいのだ!あまり欲ばらずに未来へ進んでいけば、自分らしい筋を通した人生になっていくだろう。