幸運の女神

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昨日、美術家志望の若者がひさしぶりにやってきた。いつもながら穏やかな表情を浮かべ、とても大人しい性格だけど芯はしっかりしていて、社会人になってからもこつこつと制作している。自分らしい世界を表現するために真面目に頑張っているのだ。とにかく美術が好きなのだから可能性を信じてやっていくしかない。あきらめてしまってはなりたい自分に出会うことはない。そう、美術に必要なものを補うための感性は、努力することによって生まれるのだろう。

そこで鉄は熱いうちに打とうと思い、しばらくの間、今上手くいっていることだけに絞って、創意工夫して取り組むことをお勧めしてみた。あれこれなんでもかんでも手を出したところで成果を得ることは難しい。それよりも創作活動の中心となるものをつくり、どれくらい成長しているのかをわかりやすくする。伸びしろが期待できるものにこだわってやることで、手応えや喜びを感じられるからモチベーションも上がっていく。また、これによって作品が出来上がるまでのプロセスを大切にするようになる。結果だけで良し悪しを判断するのでは、行き当たりばったりになって長続きしないもの。目標を持って創作し続けたいと思うなら、プロセスの重要性を理解して粘り強くやることだ。

あとは誰もが持ち合わせている運がやってくるのを待つ。ちなみに運には強いものと弱いものの2種類があって、運を強くするには美術への愛を育むしかない。つまり、いつでも幸運の女神とデートできるように準備しておくこと。ビビット浮かんだイメージを逃さず、チャンスを具現化するために腕を磨いていることだ。女神は準備が整ったものだけに微笑んでくれる。小さな個性を武器になるように伸ばしていこう!