変化していく

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気がつけば美術の世界に関わってから長い年月が経ってしまった。それなりに数多くの美術作家や作品、鑑賞者の方々などと出会い、いろんな世界観を学びながら歩んでいるつもり。本来ならベテラン域に達していると言いたいけれど、私はこの歳になってもいまだ迷ってばかりと言うのか、10年くらい前よりも戸惑うことが多くなってきたのだ。

ちなみにその理由はとても簡単だ。これだけ世の中が早いテンポで変わり続けてしまうと、これまでの経験を活かした考え方では対応しきれなった。いくつかのことを考えながら、やっていくことが増えてきたのだ。昔はこういうやり方で上手くいったのだから、そのような感覚を使ってやっていけるのは、基本中の基本クラスのことだけ。ほんの数年先の未来への見通しがきかないことを痛感させられている。

だから迷ったり戸惑ったりすることは、みんなと一緒に考えて話し合って、膝を突き合わせるようにしている。ことわざの「三人寄れば文殊の知恵」と同じことで、たった一人であれこれ考え抜いても、良い知恵はなかなか浮かんではこない。しかし、多種多様な知恵を出し合っていくことで、いろんな視点から考えられるので、少なくともベターな発想には近づいていけるだろう。つまり、今日ように地球全体が慌ただしく、バタバタして落ち着かない時代は、いくつかの意見を出し合って、もっとも有効な手段に変化していくことが大切だ。地図にはない明日を駆け抜けていくために、さまざまなことを仲間たちと真剣に語り合って、いつまでもしなやかな感性を羅針盤にして、美術の世界と関わっていきたいと思っている。