ふたつにひとつだ

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昨日、親しい美術家より「大丈夫ですか?」と、陣中見舞いの電話をいただいた。気にしてもらってありがとう!仰せの通り、この半年間は新型コロナ感染症のために、普段のようにいかないことばかり。経営的にはとても厳しいけれど、応援してくれる人たちのおかげで、今のところ幸いにもやりくりできている。とにかく今できることをこつこつとやっていくしかない。これまで経験してきたことをもとに、置かれた状況からできることをやり尽くすのだ。そうでなかったら、ただの空論になってしまう。こんな時に甘いことを語っても仕方がない。自分の足跡を辿りながら試行錯誤することが大切になるのだろう。

ちなみに画家 ゴーギャンの人生をモデルにした小説の中で、主人公へ「(絵の)才能がまったくなくても、すべてを捨てる価値があるのか」という問いに対し、「おれは、描かなくてはいけない、といっているんだ。描かずにはいられないんだ。川に落ちれば、泳ぎのうまい下手は関係ない。岸に上がるか溺れるか、ふたつにひとつだ」と答えた言葉がある。

たしかに実際に画家になれるかどうかなんて、やり始めてみないと何もわからないもの。さまざまな情報などを集めたとしても、それがそのまま自分に合うことはない。ましてや画家という唯我独尊の職業を目指すのだったら、うまい下手などは本当にどうでもいいこと。自分でやってやろうと決めたことは、最後までその意思を貫かなければならない。つまり、自分が本気になってやりたいことは、どんな目に遭おうとも怯まずにひたすら進むべし!私も好きでやっているから同じ心境だ。もちろん、それなりに覚悟している。いつも冷や冷やしながらも、どこかに活路があると信じ、ない知恵を精一杯絞っている。明日を信じて努力あるのみだ!