出会い

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素晴らしい美術作品との出会いは想像力を活性化させてくれる。古代文明から現代美術まで、それぞれの世界には独特の魅力があって、鑑賞しているだけで感性が刺激されて、豊かになったような気分になれる。美術家が創作意欲を燃やして生きていくには、そういったの作品との出会いによって、さまざまな栄養を補充していくことが必要になる。好きなものばかりにこだわって、その他のことはまったく触れていないと、栄養バランスの悪い感性になってしまうだろう。

そう、そのまま食わず嫌いにしていると、ある一方からしか見ることができないため、美術の根本的なことに気付けなかったり、成長へのヒントを逸することにもなりかねない。特に10代から20代にかけての成長期は、心身ともに人生の一番の伸び盛りになるため、積極的に美術作品と関わっていった方がいい。良い意味で何か見たものにすぐに感化され、それらに熱したり冷めたりしながら、自分の個性を活かせるものを発見していく。美術家という道を歩んでいくための基礎能力を育むことができるからだ。

つまり、美術分野を好き嫌いだけでえり好みしていると、どこかもろくて弱々しい感性になっていく。これほど多様化した時代に通じる感覚は生まれてこない。自分にとって楽しいや面白い以外の世界にも目を向けてみよう。周囲の環境に何があるかをよく知ることで創造力は柔軟になってくる。できるだけ好き嫌いなく、真っ平らな心でいれば、新しいことに気が付いていけるはずだ。だから好き嫌いの価値観を超越したものに目を向け、素晴らしい美術作品との出会いを増やしていこう。