はじめは

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ピカソの言葉に「いかなる創造活動も、はじめは破壊活動だ」がある。やはり新しいものを創り出していくためには、これまでの常識や価値観などの壁を壊すことから始まる。美術活動の経験が長ければ長いほど、さまざまな知識と情報が頭に染みついているからだ。しかも、それらのほとんどは先人や他人のもの。知らず知らずうちに影響されて、独自の創造力を低下させていく。結果として、物真似したようなものになりやすい。

だから、既存の美術との距離感を誤らないようにすること。いつも距離を置こうとまでは言わないが、時々は意識して感化されないように心掛けていく。こうやって自分らしさを求めれば、常識に背を向けて、独自の創作を押し通せるようになれる。

つまり、破壊するとは常識をよらずに、自分の発想を持ち続けること。他人から見れば馬鹿馬鹿しいことでも、自分の感覚でしかできないものを信じていく。新しい創造へ挑戦していきたいのなら、まわりから白い眼で見られたとしても、とことんやり切るためにタフな気持ちが必要なのだ。そう、これがいつまでも創作意欲を持ち続ける秘訣なのだろう。