育む

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美術家は誰でも生まれた時から才能を持っているのではない。自らの成長を目指して取り組んだ経験によって育まれてくる。どこまでも才能を信じて制作していくことで、内に秘めていた能力が表に出ていくのだ。それは例え伝統工芸と呼ばれる世界であっても同じこと。先人から受け継いだ技術だけでは美術家と評価されることはない。これまでにあったものを活かすために、新しい着想や考え方を柔軟に取り入れていく。さらなる才能を伸ばして成長させるために、様々なことに失敗を恐れず果敢に挑戦すればいい。新しい創造とは既成になかった組み合わせによって生まれる。独自性の高い創作にするには模倣されにくい個性を磨いていくことだ。
つまりスタート地点では自分らしい才能を支える根っこを育てていくこと。人は人、自分は自分と良い意味で開き直っていく。美術界の環境や表現の変化に惑わされずに、マイペースを保つための絶対的な価値観が必要になる。創造へのこだわりが本物だったら、チェンジしていくことは恐れないだろう。より良いものを創っていくためには、ワクワクする好奇心を武器にして、革新的な志を燃やしていったらいい。才能とはあらゆることをやってみて、本当にあるのかどうかがわかってくる。短い年月で答えを出そうとしてはいけない。紆余曲折を経て成熟していくもの。自分が美術家になりたいのなら才能なんて気にせずに、とことん創作をしていったらいいのだと思う。