遊び

f:id:gallerynakano:20210131223010j:plain


「絵を習ってる人の絵というのがあるけれど、一方で絵を習ってなくて、表現が自由で力強いという絵がある。そういう力強さがどうやったら蓄えられるのか。どうやったらそういう絵が描けるのか。そういうことを探ってみたい気がしています」という木梨憲武さんの言葉がある。

子供にとって遊びで描く絵はやらされているものではない。どうしてもやりたくたまらないもの。だから、ちょっとでも時間ができれば描きたくなるのだ。だけど、もっと絵を上手くなろうと考えて、先生になんか教わり始めると、絵は遊びではなくて習いごとになる。それは決して悪いことではない。ただし、先生に絵を習えば見た目の美しさは手に入れても、その人にしかない個性を失いやすい。絵を遊びとして描くことで磨かれていく、エネルギッシュな感覚が育たないのだ。

つまり、絵を描くことの楽しさの原点は遊びの中にある。まずは子供のように完成度よりも描くことを楽しみ面白がること。そこで自分らしい個性を発見し、もっとそれを活かしていこうとすればいい。どんな人でも一つや二つは素敵な個性を持っている。 それらを遊ぶように無心に取り組めば、力強いものにしていけるだろう。