出世

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「出世したいと思って、上役におもねったり取り入ろうとするから、イヤらしい人間になってしまうんだ。それよりも、自分は出世なんかしなくっていいと思ってしまえば、逆に魅力的な人間になってくる」という岡本太郎の言葉がある。

一般的に出世という言葉は、会社などの組織で昇進して、世間に名が知られる地位や肩書きになることを指す。しかし、その語源になる仏教用語では、出世したら、俗世間から離れて煩悩を捨て去り、この世を出て仏道に入っていくこと。私的な感情にとらわれたり、利害の計算をしたりせずに、人のために骨身を惜しまず働くという意味だ。そこでこの二つのことを考慮に入れて、上記の言葉をあらためて読むと、太郎が言いたかったことが伝わってくる。なにかにとらわれずに勇気を持って自由に生きろ!さまざまなことに惑わされぬな!どこまでも自分らしく在るがままに生きればいい!と、言いたいのだと思った。