イマジン

f:id:gallerynakano:20210519223120j:plain

「もし”No”とか『インチキ』みたいな意地の悪い言葉が書かれていたら、すぐに画廊を出て行ったよ。でも”YES”だったから僕は『これはいけるぞ、心温まる気持ちにさせてくれる初めての美術展だ』と思ったんだ。僕はそこに書かれていた”YES”という一文字に救われたんだ」というオノ・ヨーコの個展を訪れて、天井に書かれた虫眼鏡で見なければわからない小さな文字の”YES”に衝撃を受けたジョン・レノンの言葉がある。
そう言えば、私も若い頃に同じような体験がある。それはドライブインのトイレに入った時のこと。用を足そうと便器の前に立つと目の前の壁に「上を見ろ」と書いてあった。当時、こういう手合いの落書きは悪ふざけにもほどがあるものばかり。だから、見たところでしょうもないのだが、とりあえず軽い気持ちで見上げれば、そこには「ありがとう」という文字があった。思わず「おお!」と、うなるほど驚かされてしまい、その後はなんとも言えない高揚感に包まれた。やっぱり、感性を揺さぶるものと出合いは素晴らしい!そう、日常を見つめて想像してごらん、そこには楽しいものがたくさんあるんだ。