白球の青春

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「青春という時代は不確実で不透明で、実に理不尽なものである。この理不尽さは高校野球と共通している。だが、それも誰にも与えられた有限の試練だと思えるから耐えられ、あとになって、ほのぼのさに変わったりできたのである。青春は素晴らしい。だからといって、あの時代をもう一度やろうとは思わない。それほど辛いからである」という昭和の偉大な作詞家 阿久悠の名言がある。
昨日、夏の高校野球県大会決勝戦が行われる。炎天下のもとで、飛び交う白球に、スタンドから没頭する。それぞれのチームがお互いの個性を強く主張して、甲子園出場という大きな目標へ向かい精魂込めて戦う。とにかく、思いっきりよくやっていくしかない。ここ一番に燃え上がるエネルギーこそが若さの武器だ。ただし、この戦いには真の勝者も敗者もない。今日の敵は明日の友になる世界。高校スポーツに脈々と受け継がれているフェアプレー精神とは、ゲームの最中はライバルでも、試合終了後は同じ夢を持つ仲間同志に変わること。小さなことにこだわらず、大きな視点から見つめて、友情を育むことで青春の美しさは輝きを増していく。純粋に戦いながら共生を意識することが大切になるのだろう。