付加価値

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先週末、NHK Eテレ SWITCHインタビュー 達人達に出演した若き時計職人 菊野昌宏氏。企業に属さず自らの理想の時計を作る独立時計師。世界最高峰の独立時計師アカデミーに、013年、若干30歳で日本人で初めて正会員になる。腕時計作りの魅力に憑りつかれ、徹底して手作りにこだわり、自らの理想とする時計を作りに創意工夫する日々だ。

そんな菊野氏の「ある意味、私自身が今作っている機械式時計は、時刻を表示するってというのか、『おまけ』みたいな存在なのかなと思っている。正確な時刻が知りたければ、電波時計や携帯電話で確認すれば、一番正確な時間がわかるはず。それでも、なお、機械式時計を持っていたいという思う気持ちは、哲学的と申しますか、実益を超えたなんだかロマンみたいな、そういうものを手の上に乗せたいなという気持ちからあるのかなと思うのです」という言葉に、オーダーメイドの世界で生きるプロの熱い魂を感じさせられた。

美術作家も同じようなことが言えるだろう。観る人に少しでも多くの付加価値を感じさせること。個性をアピールするために好奇心旺盛にチャレンジしてみよう。 とにかく、前進し続けていくこと。新しい夢の扉を開き、新たなことを創り出そう。付加価値はその人の好奇心から生まれてくる。目標達成の努力によるものではなく、好きだからという探究心によって成り立っていくものだ。