先人に学ぶ

f:id:gallerynakano:20211203001323j:plain


「(美術のために上京したことについて)若い頃は東京へのあこがれが誰にもある。だが、仕事(= 創作)ができる環境であることが大事。山口での豊かな生活、人とのつながり。その中で心の深まりが生まれ、仕事に突っ込んでいくことができる。常に模索し続け、今年は特に新しい方向が開けるのでは、と強く思っている」というのは、14年前の10月に県立美術館で開催された『田中米吉 ― ”ドッキング”からの視線」で朝日新聞山口版の特集記事に掲載された言葉である。
本日からギャラリーで始まる「県美界隈展 Today is a gift 今という瞬間は贈り物」。山口県にゆかりのある美術家35名と、今年の1月に天国に旅立った田中米吉先生のご家族にお願いをして、小作品をご厚意で特別出展していただいた。
私が米吉先生にこだわったのは、本格的なスタートが40歳過ぎだったことが第一の理由。また、山口の美術家たちと積極的に関わり、切磋琢磨しながら腕を上げていって、95歳まで全身全霊で取り組んだ創作人生を吹聴して、山口でも創作できる道があることを知ってもらう機会にしようと考えたからだ。この機会に稽古をつけてもらうことが一番の目的で、さらに熱いハートの面々が集うことで、予想もしない化学反応が起きることに期待するのみ。どうか皆様もご一緒に美術に燃える師走にしましょう!