ロックンロール

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「ロックンロールは入口がいっぱいあるんだよ。何かひっかかった瞬間、それがドアなんだよ。そっから入っていけるんだ。どっから入っても同じとこなんだ。中に入れば全員に会えるよ。すべてに会える。もし会えなかったらまだドアを見つけられてないんだよ。それかちゃんと入ってないんだ」というのは、ミュージシャンの甲本ヒロトの言葉だ。

彼と知り合ったのはおよそ24年前。こっちは33歳であっちは19歳。いわゆるゼネレーションギャップがあって、その頃にフランクに話したことはなかった。そんなある日、他愛もないことから共通の趣味がわかる。好きなロックバンドが同じだった。以来、年齢や立場などの壁がなくなって、いろんなことが言い合える仲になる。さまざまなものをロックンロールがぶち破ってくれたのだ。

その後、彼は地元に戻って教員になって、学校の仕事をはじめ、家族サービスから作品制作まで、いつもフル回転で動きながら頑張っている。それは楽じゃないけど、それを楽しんでいる。素晴らしい美術家に憧れて、いっぱい妄想と空想を繰り返し、やっぱり最善の努力をしていく。上手でなくてもいいじゃん。みんなが面白がってくれたらいい!クスノキで創られた「ももくり」シリーズに、そういうメッセージを感じる。今の自分がいいと思えることをやりたいようにやる。美術への熱い魂は時を超えても変わらぬまま、これからもふつふつと静かに燃やしていくだろう。