マイナー志向

f:id:gallerynakano:20211216002202j:plain


メジャー志向という言葉がある。これは仕事や計画などが上手くいって、富や名声、人気、権力などを手に入れることを目的に、必要なものを得るために努力することを意味する。ちなみに美術業界はメジャーへ進もうとする人が多い。いい美術大学へ入学することをはじめ、公募展で入賞入選して高い評価を得ること、多数の作品販売が安定してできるようになるなど、第一線と言われる舞台に立つことを目指していくのだ。

ただし、メジャー志向とはこれまでの成功事例を参考すること。しかも、それはみんなが参考にしてやっていくため、結果的にみなみな似たようなものになってしまう。メジャーだと言われるものは、すでに世の中に浸透して、馴染んでいるものばかり。それらをあれこれお手本にして、いいとこ取りしてもパッとしない。似たり寄ったりしたものになって、マイナーな世界で埋没するだろう。

だからこそ、マイナーさを大切にする。世間一般の価値観に合わせずに、マイナーなものが持つ価値観を尊重し、自分に備わっているものを探ってみよう。独自性というものは目の前にあるもの。最初から誰にでもあるものなのに、メジャーという言葉に振り回され、等身大の自分を見失ってわからなくなる。いつも自分らしく生きること。世の中の主流から開放され、直感で思いついたことを実行する。そうすれば個性が磨かれて輝いてくる。未熟でも個性的な表現になるはずだ。