改革

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1978年12月8日、作品主義という原点に立ちかえり、厳選主義をつらぬき、若手作家にとって登竜門的性格を持ちながら、作家にとって競い合う公募展を目指して、県立美術館が開館後に初めての第33回県美術展覧会が開催される。

当時、作家がその創造性を十分発揮できるように、それまでの招待作家(無鑑査)制度を廃止し、審査の公正さを期して県外から第一線で活躍する審査員を招いた。また、これから多様化していく美術表現を考慮し、展示スペースからくる作品規格の制限をなくすことで、より自由で魅力ある創作発表の場になるように工夫していく。現代美術のコンクールになるように大きく舵を切った。

さらにこの後も改革はされていく。長年続いた7部門制(洋画、日本画、彫刻、工芸、写真、書道、デザイン)を廃止し、審査会の透明性を高めるために公開されることになり、30数年前に現行とほぼ同じ制度ができあがったのだ。近年、それゆえにさまざまなところにほころびを感じる。さすがにこのままやり続けることは厳しい。今がターニングポイントだろう。私が望むことは県内の創作活動の活性化の役割を果たすこと。県美で再スタートした県美展の一番の目標だ。どうすればいいのかの答えは難しい。だけど、それを考える時だから、私なりに知恵を絞りたい。