個性派ぞろい

f:id:gallerynakano:20211230232558j:plain


10数年前、それぞれ違うタイミングで出会った3人。みんな異なる個性的な作風の持ち主で、創作への思いも技量もなにもかも同じではなかった。そんな3人はここに出入りするうちに仲よくなり、美術についてフランクに語り合いながら切磋琢磨していった。この関係の影の立役者は臼杵万理実さん。まったく同時期に一番最初に彼女がギャラリーに来るようになってから、その流れに乗って若い人材が急速に集まりだして、おもいっきり世代交代の波を促進していった。これは偶然なのか必然なのか、その答えはわからないけど、ラグビーのモールのように、ボール(魂)をキープした密集が生まれて、かつ、そこから創造は前進していったのだ。

先日、奇しくもこの3人がここで顔を合わせる機会があった。あの頃に比べたら各自の創作は大きく成長して、独自性のある世界観へ向かって進歩している。だけど彼らの目指す理想はまではまだまだ。それぞれの未来はもっともっと先にある。だから、この日の出会いを簡単に称するのなら、戦友の再会というべきもの。それにプラス、魅力的な人と出会うたびに、美術への熱量は高くなってくる。どうしても勝ちたいという気持ちより、ただ負けたくないという意欲が武器になる。美術家は他の人と競う合うのではなくて、自己との戦いに打ち勝たなければいけない。お互いに才能を認め合って、奮起する意識を高めていくこと。この日のこの3人の触れ合い方を見ていると、本当の意味でのリスペクトが成り立っていて、美しいトライアングルだと感心するだけだった。