美術の物語

f:id:gallerynakano:20220121220003j:plain


昨日、NHKの情報番組「あさいち」のプレミアムトークに出演した作家 原田マハさん。その後の特選エンタのオススメ書籍のコーナーで、世界の美術史を学ぶ学生のために書かれた入門書みたいなものと言って、最初に紹介したのは美術史研究家 エルンスト・H・ゴンブリッチの「美術の物語」。その中でお気に入りの序章の一部が朗読され、とても素敵だと思ったので書き留めてみた。

実のところ、絵や彫刻を好きになるのは、どんな理由からでもいい、と私は思っている。生まれ故郷を思い出させてくれるからという理由で、ある風景画が好きになるかもしれない。友人に似ているからというので、だれかの肖像画に心が惹かれる場合もあるだろう。それで悪いという理由はどこにもない。だれでも絵を見れば、いろんなことを思い出し、そこから好き嫌いの感情も生まれる。それによって絵が楽しめるのなら問題はない。

この一文が読まれた後に「だからもう、なんでもいいんだ。好きだと思ったら、それがあなたの好きな絵でいいのだ」と、原田さんがコメントを添えて、トークの際に語った「小難しい話しは別にして、ボクもキミも同じアートを愛する人間だよね」と結び付けて、アートは変に敷居なんて気にしないで、フランクな気持ちで接すればいいんだという持論を披露していた。さすがにプロは違う。一般の人たちを美術の世界に引き込むための極意のようなものを感じさせてられた。大変勉強になりました。自分ももっと美術愛で語れるように工夫していこう。