孤高の精神

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先日の午後、夕方に会う約束をした美術家のおみやげに持っていく焼き菓子を買うために、馴染みの洋菓子店へ行ってみると、店内は日頃と様相が違って、ほぼチョコレートだらけのランナップだった。そうか、これが世にいうバレンタインデーシフトというものなのだ。オリンピックに夢中になっていたから、国民的な行事のことをうっかり忘れていた。とりあえず、この時は目的のものは買えたので問題はなかったけど、ワクワクしている人たちと一緒に順番待ちするのは、あまりにもテンションが違うから、どこか申し訳なくなってしまった。

しかしながら、私はこのような仲間はずれ感を昔から楽しむタイプなのだ。いわゆる公序良俗に反しないことだったら、世間一般の常識からはみ出してもいいと思っている。この世の中にはいろんな人がいるわけだし、人によって長所や短所もそれぞれ違うし、好きなものだって、楽しいことだって、なんでも違うのが当たり前なこと。金子みすゞの詩の一節「みんなちがって、みんないい」のように、誰もが自分らしい個性を活かし、尊重し合うことが大切になるのだ。

だからこそ、ひとりひとり個性的に生きるべきだ。人は誰でもそれぞれにしかに性質がある。このことを突き詰めていけば、その人らしい独自性にたどり着く。とにかく、権威的なものや流行りのものには縛られず、なにもにも捉われない発想で、自由な感覚が見つかるまで探し続けること。自分だけの独自スタイルにこだわることで豊かな価値観が育まれるはずだ。つまり、誰もが持っている個性を活かすために、とことん思い入れて取り組んでいく。どこまでも孤高の精神を守って、自分らしい個性をこつこつと確立していくのだ。