安穏無事

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先日、ネット検索で美術関係の著書を調べていると、たくさんのふしぎ傑作集『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』(福音館書店 1300円+税)を発見する。そこで紹介文読んでみると「意外なことから、動物たちの一生を考える。“体の大きさがちがったら、食べる量はどうかわるか”という問題を、いろんな体重の動物の食事量を調べてみます」と書かれてあった。

私はこのちょっとした文章にハッとさせられる。いわゆる目から鱗が落ちた。それぞれの生きものの特色の原点は食にありと考え方は、実に当たり前なことだけど、腑に落ちてスッキリとする発想だ。人間だってそうだもん!好きな食べものも、食べられる量も、食べる時の速さも、全部異なるから独創性が発生して、誰ひとりとして違う世界観を持っているのだ。

そこで思い切って買ってみてすぐに読んでみた。その感想は想像以上に科学的であって、哲学的でもあって、数回くらい目を通した程度では何にも言えねえというのが本音である。とりあえず、今言えることは原作を考案した学者の方は、私たちが普段何気なく触れているものを、とことん深く掘り下げて、地球にはいろんな生命と共存していることに気付かせてくれる。やっぱり、この世界は多文化が共生しているため、互いを理解して違いを認め合うことの大切さを教示した。この地球で自分勝手に一方的な行動するようでは秩序が乱れてしまうだろう。つまり、いろんな生きものを尊いものとして、愛しく感じるエキスが入った1冊。どこかの国に送らなければいけないと思っている。