コンセプチュアルアート

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現代アート』とは大まかに定義すると、第二次世界大戦後に広まった新しい表現のこと。現代社会の情勢や問題を反映し、個人的あるいは社会的なメッセージを感じさせる作品を指す。これは19世紀に美術館という施設が誕生し、絵画や彫刻がアートだとして展示されていたが、1960年代になってから、絵画とも彫刻とも言えない作品がたくさん現れてきた。中でも美術館を飛び出して、従来のアート以外のものをモチーフにして、アイデアやコンセプトを作品の中心的な構成要素とする作品が台頭していく。

いわゆるコンセプチュアルアートと呼ばれるもの。観た感じの美しさや技術力の高さなどでは見当がつかず、さまざまな知見をフル活用しながら解釈することが求められる。そのため一般的には意図がよく掴めなくて、ややこしくて近寄りがたいイメージを持たれる。だから、『現代アート』は一般的な人にとっては馴染みにくいのは当然なのかもしれない。

しかし、この世の中はいつの時代も変化していくもの。新陳代謝が進む社会を受け入れるしかない。良いとか悪いとか簡単に結論付けようとはせず、新しい感覚として触れ合ってみよう。つまり、現代アートによって、ビビット脳に訴えかけてくるインパクトを面白がること。私たちはいつも未知なものとの出会いにワクワクしている。よく知らないことを初めて知った時に興奮しやすい生きものだ。初めて見たものに新しさを発見してインパクトを味わっていく。さらに、いろんな視点から文脈を見つけることを楽しみ、異なる個性を発見していくことを面白がる。自分らしい価値観や意味を探り出して、今この瞬間の立ち位置を知っていこう。